近所に本屋&レンタルビデオの複合店ができたので行ってみましたところ
「全作品90円レンタル」との事で、早速何か借りて帰ろうかと。
で、劇場でも見たのですが、折角の機会ですので、正規の値段は
到底払う事が出来ないと思われる劇場版「デビルマン」をば。(笑)
えーっと、一応、原作(漫画)を読んだ事が無く、かつ、映画版も未見で
今から見ようかなと思っている方は、この先は遠慮された方がよろしいかと。
ただ、[超映画批評]さんでは、当時ぶっちぎり破格の「100点満点で2点」を叩き出した
映画である事だけは、まずお伝えしておきますm(_ _)m。
さて、突っこみどころを全て挙げていくと夜が明けてしまうと思うので細かいところは書きません。
30秒に1回づつぐらいは突っこんで行き続ける自信はありますから。(笑)
「ハッピーバースデー」って何やねんとか、
海辺にキャンバスだけが置いてあるのはなんでとか、
シレーヌは何のために出てきたのんとか、
戦争してるのになんで町内で殺し合いやってんのんとか、
「皆殺しにしてやる」と言いつつ家の中に走り込んだ飛鳥了はそのままドコ行ったのんとか、
また現れたかと思ったらセコく鉄砲で人撃って、変身して吹っ飛ばさへんのはなんでとか、
島田久作は一体なんやったのんとか、
町中瓦礫の山なのに教会だけは全く無傷なのはなんでとか、
デビルマンとサタンが戦い始めた場所はありゃ一体ドコなんやねんとか、
最後に生き残った二人はあの爆発の中でなんで生きてんのんとか、
あ、やっぱりキリ無いのでヤメ(^^;)。
まず何がダメって、そもそも、漫画版のあの大きなテーマを元に、印象的なシーンを
ぶった切って作って、ただ縦に並べてみました、としか思えない、ストーリーの無さが
一番の敗因でしょうか。
すっ飛ばしているところもあれば、無駄に時間をくっているところがあったりと
ムラが多過ぎるのは、この手の原作モノに関してはよくある失敗なのですが、
その上に、一所懸命憶えたであろう長いセリフで説明しているにも関わらず、
結局何の説明にもなっていないという事に脚本家が気付かないところがスゴイと思います。
多分、初めて「デビルマン」に触れた方は、一体何が主眼になっている話なのか、
最後の15分ぐらいまで分からなかったのではと思います。
もちろん脚本家の方は元々原作を知っていて書いているのですから、
先入観があって、「こういうモンだ」と自分の頭の中では分かっているから
あんな事になってしまうのであり、客観的にストーリーを見直す創造性の無さが
浮き彫りにされているように思います。
多分、自分が一から考えたストーリーなら、あんな訳の分からない
繋がりの無い本なんて書かないでしょう。純粋に能力不足です。
また、それら内容のヒドさを補って余りあるマイナス点は、
やっぱり主人公の大根っぷりでは無いでしょうか。
特にヒロインの美樹が死んでしまった事を知る場面は、このストーリーの上での
屈指の衝撃的シーンであるハズなのですが、その際主人公が発した雄たけびは
まるで幼稚園児がいじめっ子におやつを取られて逆切れしたかのような悲惨なモノでした。
原作ではデビルマンが血の涙を流して、人間も悪魔も全て滅ぼすと決意する、
一番の鳥肌モノの、漫画史に燦然と輝く名場面のハズなのですが、
そのシーンがアレでは、美樹も死ぬに死ねません。
普通、ヒロインがあんなにあっさり殺されてしまうなんてな事は想像しませんので
「えええっ?!」っとなるところで、逆に「何じゃこの演技は」と苦笑してしまいます。
百歩譲って、彼の演技力をけなす事はやめましょう。
人には出来る事と出来ない事がありますから、能力以上の事を求めても無駄です。
また、脚本がアレですから、ハナからやる気が無かった可能性もあります。
ただし、監督さんはアレにOKを出してはいけません。
アフレコを付けてでも、何とかすべきだったと思うのは管理人だけでしょうか。
また、漫画版では最後の最後までどっちが勝ったのか分からないようになっていて、
画面を引いたらデビルマンが負けていたと分かる、衝撃のラストシーンなのですが
映画版ではいきなり「明、死ぬな!」って、飛鳥了が勝った事が分かってしまっています。
こういう詰めの甘さは残念でなりません。
どうやらこの監督さんは「演出」という言葉を知らないようです。
デビルマンやサタンの造型は非常にかっこよく、このあたりはさすがに
アニメ大国日本の実力を発揮していますが、おそらく戦闘シーンのCGにかける
予算が少なかったのか、短時間で終わってしまっているところも残念です。
あのぐらいのCGであれば、今時であればゲームの繋ぎのムービーででも出てきそうな・・・
あー、背景がソコソコ書いてあったので、やっぱり無理かなぁ。。。
ちなみに、管理人の場合、確か小学生の頃にアニメで見て、中学生ぐらいになって
漫画版を読んで、あまりの違いに、「ヒー!」と言ったぶるいですので、思い入れが強く、
多少辛辣に書いてしまいました。
でもやっぱり、それを差し引いても「100点満点で2点」というのは妥当な線だと思います(^^;)。
「どれだけ突っこめるか」という練習用教材として(笑)。
100点満点で2点を頂いたとのことですが、0点じゃない理由ってのは上記の文章から推察するに、・・・もしかしてCG?(爆)