今日も時に書くことが無いので最近読んだ本でも。
山田悠介「スイッチを押すとき」。
若者の自殺者が増加する一方の近未来、政府はその心理状態を知るために「青少年自殺抑制プロジェクトセンター」を設立。無作為に選別した子供に手術を施し、施設内に閉じ込めて生活させます。子供達に渡されるのは「自らの命を絶つスイッチ」。閉鎖空間での生活に耐え切れず次々と「スイッチ」を押していく子供達。その惨状に耐え切れなくなった監視員が取った行動とは。。
ってな感じです。
が、いわゆる「心理モノ」かと期待して読んだら、手痛いしっぺ返しを食らいました。
ええ、悪い意味で(^^;)。
例えば、次々とスイッチを押していく子供達と、なかなかスイッチを押さずに淡々と生活を続ける子供との、心理的、もしくは性質(性格?)的、もしくは状況的に、明確な説得力を持った違いが描ききれていないため、「この四人だけは7年も生きてます」というところからスタートしても、「特別感」が感じられず、従って感情移入もそれほどできず、ドタバタで穴だらけの脱走劇だけが上滑りしているだけのような感じになっているように思います。
この手の「プロットが全て」のストーリーでありがちの、肉付けの貧弱さ、作者のストーリーテリングの力量不足(もしくは時間不足)を鼻で笑うには、いい作品かもしれません(無茶苦茶言うなぁ)。
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