昨晩は夜遅くまで選挙速報を見ながら途中で寝落ちしてしまったのですが、ふと「沈黙の艦隊」を思い出しました。原子力潜水艦「やまと」を乗っ取り、独立国家宣言をした艦長・海江田と、アメリカ合衆国大統領・ベネットとの、国連総会での会話です。
ベネット「私は政治家として人間の"悪意"というものを確信している
人間の善なるものを信じてはならない
世界の全てが賛同しても、それが人間の善なるものに依拠する考えであるならば
合衆国大統領はたった一人でもそれを信じてはならないのだ
善なるものを守る権力とは、善なるものの力を頼りにしてはならないのだ」
海江田「あなたはこの先NOの答えを吐き続けるでしょう
ただ一つ人間であるという答えを除いて
心にあるYESを裏切って口から出てくる・・・NOです
アメリカは負けた?」
ベネット「NO」
海江田「軍事力は完全放棄できる?」
ベネット「NO」
海江田「"沈黙の艦隊"承認?」
ベネット「NO」
海江田「私を信じますか?」
ベネット「NO
君は私を信じているのか?」
海江田「YES」
ベネット「確かに私は人間だ
人間には完全なNOとかYESとかはないのだ
私は政治家だ
完全なNOとYESは無いのだ」
海江田「それがわれわれのただひとつの合意点です
人間は悪意より善意が上回っている?
ベネット「・・・YES」
海江田「不完全なYESで充分なのだ」
あくまで政治家として現実を直視し不確実な方針は取らないというベネットに対し、海江田は「二分法ではなく、不完全でも自分が信じれるならば一歩踏み出す勇気を持つべき」と言いたかったのだと思います。そうでないと、いつまで経っても前に進むことができないと。
今回の選挙で国民が突きつけたのは「自民党に対する不完全なNO」と「民主党に対する不完全なYES」なのでしょうか。それにしては大差が付き過ぎのようにも思いますが、これで万が一いい方向に向かってくれるならば、それはそれで結果オーライということで(笑)。
ちなみに、海江田は演説の最中、"悪意"による凶弾で倒れます。
日本も倒れませんように。。。(-人-;)