うーむ、今日も特に書く事が無いので最近読んだ本でも。休日出勤明けの月曜日くらい、の~んびりと仕事したかったのに、結局昼食を取る時間もありませんでした。今週のあとの4日間こそ、ぐだぐだ~っと頑張ろう!(←どういう意味だ)
そんな訳で、米澤穂信 - 「インシテミル」。
アルバイト情報誌に載っていた、誤植かと思われた『時給1120百円』という超破格のアルバイトは、集められた12人が閉ざされた空間での共同生活を24時間モニタリングされるという行動心理の研究で、誰かを殺せば数に応じてボーナス、犯人を指摘すればまたボーナス、という恐ろしい内容だった。
ってな感じの、王道のクローズドサークル物なのですが・・・ちょっと内容の割に長い(笑)。アラを探せば幾らでも出てくるのですが、そういう所は比較的どうでもいいやと思わせるところが肩肘張らない雰囲気で救われて・・・ると言えるのかどうなのか。人はバタバタと死んでいくのにね。殺される人も、この状況下で何と暢気に構えてるなという感じで。
特に主人公が途中から人格が豹変したかのようにベラベラ喋り出して、ドンドコ解答を出していくところとか、だったら最初からそうしておけよ、とツッコミたくもなるのですが、それはこの手の推理物(?)の常套手段、「他人様が何人死のうが、主人公のおいしい場面を最後に取っておく」手法。まぁ、それも王道といえば王道なんでしょうけど。
どうしても納得行かない点が二点。12人の中に、オチを語るためだけに存在する謎の少女が含まれる訳ですが、主催者側が本当に参加者の身元調査をちゃんとしているのであれば、こんな人を参加させる訳が無かろうという点と、時給1120百円という微妙に切りのよくない金額に何か特別な意味がある訳では無く、単に最終金額からの逆算によって出されたモノだったとしたら、ちょっと興醒めかなという点でしょうか。
ただ、「犯人の特定は参加者の多数決」という点は斬新でしたし、「お金目的だけで果たして連鎖殺人を発生させれるのか」という主催者側の課題も、比較的うまい事クリアしてたように思います。それでも、これだけの投資を果たして回収できるのかどうかという疑問は残りますが、所詮は作り話ですし、管理人も幾らお金を積まれても、こんなバイトはしないですけどね。多分(^_^;)。
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