本日も朝から普通に仕事でして特に書く事が無いため最近読んだ本でも。
歌野晶午 - 「死体を買う男」。
江戸川乱歩の未発表作が見つかった?三部構成の第二部まで雑誌に掲載された、作者名不詳のその傑作小説を読んで驚愕した既に引退して病気で死期が迫っている大御所小説家は、「この作品を自分の作品として世に出したい!」と思って昔のツテを頼りに作者に会いに行き、胸の内を吐露する。
という話なんですが、実際その作中作も全文掲載されており、一冊で二度美味しいという感じです。作中作の方は江戸川乱歩という事で、時代背景の都合もあって、事件自体が古臭い感じは否めませんし、おいおい、ソコを見逃すのかよとかいうツッコミもありつつの、一応綺麗にどんでん返しが用意されていて、まぁこんなモンやねと思ったら、その先、さらに先にまだ隠された事実が存在した、と何重にもひっくり返されます。
歌野晶午は『葉桜の季節に君を想うということ』で、「そんなモン、気が付くかいな」という騙され方(?)をしたので、敬遠していたのですが、綺麗さでいうとこちらの方が軍配が上がると思います。いずれにしても、一生懸命ネタをくって丁寧に書いてる人だなという印象がありますね。でもちょっと作り過ぎという感じもしますけど(^^;)。
ただ、タイトルの意味がよく分かりません。全然「買って」無いですしね。アナグラムだという説明を以前ネットで見かけましたが、出来上がった言葉が本文内容と関係無ければ意味無いと思うんですけどね。
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