今日も一日中雨が降ったりやんだりでしたので、家に引きこもって読書の日と致しました。途中でネットを徘徊したり、たまってたTV録画を消化したり、気が付けば寝落ちしてたりもしましたが、何とか一日で読破致しました(^_^;)。
「ハサミ男」 - 殊能 将之
女子高生ばかりを狙う「広域連続殺人犯エ十二号」は、美少女を絞殺した後、研ぎあげたハサミを首に突き立てるという残虐な殺害方法から「ハサミ男」としてマスコミや世間から耳目を集めていた。三番目の犠牲者を決め、入念に調べ上げ、さあ犯行に及ぼうとしたその目の前で、彼女は何者かに全く同じ手口で殺されてしまう。
「細かい事は言えないがスゴイ」という噂だけは聞いていた本でしたが・・・途中で重大な事に気付いてしまいました。実は、高校生だったか、大学に入った辺りだったか、ファミコン用ゲームの原作募集、みたいなのがありまして、思い付きで幾つか応募した事があるのですが、その中の一つが、この話の重要なプロットに似ているのでは・・・と思いながら読み進めて行くと・・・ビンゴでした。やっぱり同じ事を考える人っているんですね~。管理人が考えたのは「ネタ」の部分だけで、完結をしていないので、比べるのも失礼なのですが(^^;)。
よく事件などが起こると、近所の人がインタビューで「とてもそんな大それた事をする人には見えなかった」みたいに答えてたりするのを見ます。そりゃそうでしょう。日本でも年間1000以上の人が殺されている訳ですが、「一見して殺人を犯しそうに見える人」が、そうそう目の前にゴロゴロいたらおちおち夜も眠ておれません。普通~に見える人が、実は心に闇をかかえていたという事が怖いところなんだと思います。
この犯人も、普段は普通~な顔をして熱心にアルバイトをこなしています。が、殺害計画を入念に立てながらも、毎週末のように自殺未遂を起こしたりもしています。死んだら折角手間暇かけて考えた殺人が出来なくなるやんか、という気もするのですが、この手の人はそういう正しい整合性が取れないような状態になるものなのかもしれません。こういう重篤事件を起こす人間の心理というモノを解明できる日は、果たしてやってくるのでしょうか。
敢えて内容には触れませんが、結局のところソコソコアタリ物件です。ちょっと警察の捜査が思い付きに頼り過ぎだったり、最後の方の語りが冗長過ぎるようにも思いますが、犯人の自分のもう一個の人格との会話とか、ワイドショーに出て来るコメンテーターにTVの前で悪態をついたりするセリフ回しとかが抜群に面白かったですネ。
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