先日、「半落ち」という映画をTVで見ました。アルツハイマー病にかかった妻を殺した刑事が自首してくるまでの二日間に何をしていたのか、というミステリーです。それはもう、アチコチで涙を誘う演出テンコ盛りで我慢するのが大変だったのですが、結局のトコロ、色んなトコロに迷惑を振り撒きつつ、そこまで頑なに隠し通さなければならない事だったのかという気もしました(^^;)。
最終的には、裁判の場で検察も弁護士もこぞって、隠していた事をベラベラベラベラと全部喋ってしまったのに、「知りません」と真顔で答える寺尾聡を見て苦笑してしまいました。もうちょっと脚本で何とかならなかったのかと・・・(^^;)。
という訳で(?)今日も一日暑かったので家に立て籠もって読書の日と致しました。
こちらの本もアルツハイマー病を扱ってます。
「彼女の血が溶けてゆく」 - 浦賀和宏
ライター・銀次郎は、元妻・聡美が引き起こした医療ミス事件の真相を探ることに。患者の女性は、自然と血が溶ける溶血を発症、治療の甲斐なく原因不明のまま死亡する。死因を探るうちに次々と明かされる、驚きの真実と張り巡らされた罠。はたして銀次郎は人々の深層心理に隠された真相にたどり着けるのか。
最初の方は状況説明のために医療用語が沢山羅列される会話が続いて、かなり眠たくなったのですが、ソコさえ過ぎれば次々と場面が展開して人物が数珠繋ぎで現れ最後もナカナカのどんでん返しでした。主人公が、所々で大事な証言を聞き流してしまうところが少し気になりましたけど、最後にはほんのちょっとした所がネタ振りになってたりしたところも良かったです。
推理があまりに「想像」だらけ過ぎでよくソコまで辿り着いたな、という感はあるのですが、それでもこの作者さんの本は読みやすくてイイですね。「彼女は存在しない」や「眠りの牢獄」は、『いかにも!』のトリックで途中で気付いてしまいましたし、「こわれもの」はコレまたちょっと出来過ぎな話だったのですが、今回の本を読んで気に入りました。今後もこの人の本は読んでみたいと思います。
それにしても、どういう意味があってアルツハイマーなどという病気が発生する事になったんでしょうかね。ある日突然悪魔がやって来て、「必ず死んでしまう病気か、死なないけど自分の事が分からなく病気か、どっちに罹るか選ばせてあげるよ」などと言って来たら、そりゃもう究極の選択ですよ。この本では最後の最後にほんの少しだけ希望を残したところが救いだったと思いますけども・・・・ね。
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